舞台裏…inサマナイ

  2008/07/22  |  posted by shinpei

サマナイ(サマーナイトフェスティバル)決勝終了後検車場にて…

優勝した新田康仁(74期)さんとそれに駆け寄るマスコミ陣の大集団とは対照的に、少しだけ離れた所にただひとり、ポツンと体操座りで腰を下ろす筆者の姿があった。

筆者の優勝を信じ、最後まで残ってくれた中部勢も、

”あまりにも漂う哀愁感”

の為か、なかなか近づいてこない。

その時である。

負のオーラを全開にまとった筆者の結界を豪快に破り、一直線に向かってくる一人の漢(男)がいた。

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井上昌己(長崎86期)である!

たしかマサキも決勝に乗っていたはず…

マサキ  「シンぺーさん、何落ち込んでるんですか?」

シンぺー  「見りゃわかるやん? 情けねーべ…」

マサキ  「えっ!! って言うか一言言わしてもらっていいですか?」

シンぺー  「いいぜ。」

マサキ  「今日の決勝は9Rなんですよ。」

シンぺー  「だな。」

マサキ  「んで言わせてもらえば今日は僕9番車です。」

シンぺー  「それはそれは。」

マサキ  「もっと言わせてもらえば最終バック9番手なんです。」

シンぺー  「そりゃスゲェ!」

マサキ  「さらに言わせてもらえば9着っす!」

シンぺー  「奇跡かよ!!」

マサキ  「こんなヤツもいるんですよ。 グランプリレーサーが暗い顔してちゃダメっす。」

シンぺー  「9、9、9、9の9づくしってやつやな! そんなヤツ初めて見たぜ。」

マサキ  「走る前から嫌な予感はしてたんですけどね。 まっ、終わったレースはもういいです。 まぁさすがにしばらく9と言う数字は勘弁ですけどね! ははは。 あっ、もう名古屋に飲みに行きますんで! それじゃ。」

9づくしの男とは思えないほどの軽やかな口調。

(アイツ、 大物だな…)

変な勇気付けられ方だが確かにレースはもう終わった事。

マサキの言うように次が大事だ。

俺も帰ろう…

控え室に戻るともうすべての選手は競輪場を後にしていた。

(相当落ち込んでたんだな俺…)

誰よりも遅い身支度を終え、最後に賞金を貰って帰ろうとした。

と、その時である。

筆者の目の前のホワイトボードに決勝の賞金表が貼られている事に気付いた。

”1着  ×××万円”

”2着  ×××万円”

そして…

”9着  90万円”

……………………

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マサキはその事実に気付いていたのだろうか…。

錦(名古屋の歓楽街)へ向かう彼の足取りは相当軽やかなモノであったが、もしその事実を知ったなら…

(ニヤリ…)

その時、筆者が悪魔の顔になったのは言うまでも無い。

競輪場を出てさっそく筆者は携帯を取り出しマサキにメールをしようとした。

が、

やめといた。

(今日はソッとしておいてやろう)

彼は今、錦でいかがお過ごしだろうか…

筆者の優しさがナイターのカクテル光線に照らされ四日市の夜にキラリ光った…